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Oa

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2019年9月27日に4曲入りEP『Oa』をNew YorkのレーベルNorthern Spy Recordsからリリースします。この音源は、2017年NYマンハッタンのアッパー・イースト・サイドに引っ越しをしてすぐに制作した4曲です。つまり少し昔のぼくの音楽になります。

この時期は、NYブルックリンにあるアート・スペースPioneer Worksでの個展『Compositions』の準備、蓮沼フィル『アントロポセン』の作曲をしながら曲づくりをしていました。この時、ぼくはいわゆるスランプというものなのか、精神的に気持ちが落ちていました。しかし調子が悪い時もその状態で制作に打ち込むことが「今の自分」の現れであるという思いで、どんな時でも作品制作を止めずにとにかく作る、という姿勢で続けていました。

『Oa』制作当初は作品コンセプトを設けず、目の前にある機材や音を使い、自分の内面を出していくような作業でした。やはり悶々としていた時期だけあって、なんとか完成系に近い形になってもアウトプット先がわからず放置することになりました。結果的に自分のハードディスクの中へ。その後、すぐにブルックリンに引っ越しをしました。そして、それから2年の時が経ち、ふと、この4曲のことを思い出しました。聴き返してみると当時の自分の記憶だったり、住んでいた土地の思い出を思い返す面白い経験でした。ハードディスクから音源を取り出し、再びミックスをし直し、このEP『Oa』として仕上げていきました。

タイトル『Oa』は、”Old Address”の頭文字です。直訳で「昔の住所」ですね。”454”はアパートメントの部屋番号、”BORO”は近所のQueensboro Bridgeの橋、”LEX”は最寄り駅 Lexington Avenue subway station、”20170716”は録音したその日です。シンプルな楽曲タイトル達ですが、「その土地でのパーソナルな記録」の表れとは別に『Oa』にはもう1つの意味が込められています。それはマンハッタンの歴史に基づきます。Old Address = 昔のマンハッタンを想像する試み。”Address”の意味を自分が居た場所から異なる視野で捉え直すということです。それは土地に流れる時間であったり、ぼく自身に流れる時間など、様々な時間を探すことでもあります。昔のマンハッタンは、Manna-Hattaと呼ばれ、多くの森林がある自然に囲まれていました。そこにはたくさんの動植物の音が鳴り響いてる様子が想像できます。現在のメトロポリスの姿とは大きく異なります。公園や街路樹くらいで植物を見る場所は少なくなってしまったけど、現在の都市には人間が奏でる音楽があり、人々の生活が音となり環境を作っています。昔も今も様々な音楽が存在していることを感じます。このEPを通して、そんな”Address”の意味を大きな時間軸でキャプチャーする試みのひとつがこの『Oa』です。

“The Sounds of Mannahatta in Your Ear”
https://www.nytimes.com/2017/04/25/nyregion/the-sounds-of-mannahatta-in-your-ear.html?smid=nytcore-ios-share

NEW YORK TIMESにこんな記事がありました。土地の記憶と時間を想像していくこと。時間はひとつでは無く、様々な時間が世界には流れていること。スランプ中に制作した音楽が、ぼくにマンハッタンの記憶と時間を考える機会を与えてくれました。『Oa』はとてもパーソナルな音風景です。

マスタリングは、ドイツ・ベルリンのDubplates & Mastering・Anne Taegertにお願いしました。石塚俊によるアートワーク、写真、デザイン。このジャケットは、マンハッタンのようで、マンハッタンではありません。そして、リリース先であるNorthren Spy RecordsのAdam, Tom, Chrisにも感謝します。

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